20代平凡リーマン(ヘンリー)の米国株式投資

20代平凡リーマン(ヘンリー)の米国株式投資

20代の平凡サラリーマンが株式投資(主に米国株)に奮闘するブログです。戦績開示、個別銘柄分析など。

エクソンモービル 2020 1Q決算

こんにちは、ヘンリーです。

歴史的な原油安により苦しんでいるエネルギー業界の雄、エクソンモービルが第1四半期決算を発表しましたのでまとめてみます。

私にコロナショックで多大な損害を与えた企業こそ、このエクソンモービルです(笑)

 

エクソンモービル 2020 1Q決算を発表

(元ソース)

corporate.exxonmobil.com

<売上>

・合計:561.6億ドル(アナリスト予想は518.5億ドル)

・前年同期比11.7%減少 

<EPS>

・-0.14ドル、ただし特別項目除くベースでは0.53ドル(アナリスト予想は0.18ドル)

・純利益は−6.1億ドル(前年同期24.5億ドル) 

<その他>

・川上部門の営業利益は5.4億ドル(前年同期28.4億ドル)

・川下部門の営業利益は−6.1億ドル(前年同期-2.5億ドル)

・化学部門の営業利益は1.4億ドル(前年同期5.2億ドル)

(その他、本社/ファイナンス部門で-6.8億ドル) 

原油価格下落による在庫評価損他で29億ドルを計上

所感

予想通りの厳しい決算でしたが、特別項目除くとアナリスト予想は上回りました。

ここ数年の原油価格の下落が相変わらず稼ぎ頭である川上部門を直撃しています。さらに今期はコロナ影響による原油価格下落により、在庫評価損も計上しました。

原油はいまもダブついている状態ですし、しばらくは現在の水準でとどまりそうです。

 

コントロールできない原油価格頼みの部分が大きいのが、この会社の苦しいところ。

あとは全社としてみたときに、やはり売上の大きい川下部門が利益を出せるようにならないと全体の利益率が向上しませんね。

主役の座が交代?

エクソンモービルといえば石油業界のNo1企業ですが、ここ数年の決算は同業他社に遅れを取ることが多くなりました。

今四半期の決算も、永年のライバルとされるシェブロン(大元をたどれば両社は同じ会社なのですがw)に引き離された格好です。

 

(参考:シェブロン2020 1Q決算)

売上高:315.1億ドル(前年同期比10.5%減少)

純利益:36.0億ドル(前年同期比35.9%増加)※ただし16億ドルの一過性利益含む

EPS:1.32ドル

 

シェブロンの2020 1Q利益はアゼルバイジャンでの資産売却他に伴う特別益16億ドルを含んでいますが、それなくしても20億ドルの黒字なので、赤字のエクソンモービルとは雲泥の差です。

石油業界の今後

石油業界は今、過去最大の正念場を迎えています。

長年続く原油安、そして地球温暖化の現況に対する風当たり+新エネルギーへの置換等、様々な面で苦境に立たされています。

 

直近では原油先物市場が史上初のマイナス価格になったことも記憶に新しいでしょう。

これはすなわち、「誰も原油の貰い手がいない」ということを指します。

なぜなら、今回マイナス価格をつけた先物は、「20/4時点での20/5先物」だからです。先物は文字通り先(将来)の物を取引しますが、満期が来れば現物を引き受ける必要があります。原油であれば、原油貯蔵庫に入れるイメージです。

 

しかし今は飛行機も飛ばず原油の消費者がいないため、世界中の原油貯蔵庫がいっぱいになっているのだと思います。

したがって、

原油貯蔵庫がいっぱい

→満期が来ても受け取れない

→5月の先物は一種の時限爆弾(満期が来たら一巻の終わり)になる

→満期が来るまでになんとしても売りさばきたいと市場参加者全員が思う

→暴落

ということでしょう。

 

コロナが収束すれば、本当に元通り飛行機は飛び、原油をジャブジャブ使う時代に戻るのでしょうか。

私はどうも、そうはならないような気がします。

だからこそ、エクソンモービル損切りしたのです(笑)

皆さんはどう考えているでしょうか?

 

それでは。

 

ギリアド・サイエンシズ 2020 1Q決算(+レムデシビル緊急使用許可)

こんにちは、ヘンリーです。

 

世界が今一番注目している、かつ私も株式を保有しているギリアドが2020年最初の決算を発表しました。

世界の目に耐えうる決算だったと思います。

 

 

ギリアド・サイエンシズ 2020 1Q決算を発表

(元ソース)

investors.gilead.com

 

<売上>

・合計:55.5億ドル(アナリスト予想は54.5億ドル)

・前年同期比5.1%増加

 

<EPS>

GAAPベースの利益は1.23ドル、非GAAPベースは1.68ドル(アナリスト予想は1.57ドル)

・非GAAPベースで前年同期比0.6%増加

 

<その他>

主要薬の売上高は以下

HIV治療薬ビクタルビの売上は16.9億ドル(前年同期7.9億ドル)

HIV治療薬ツルバダの売上は4.1億ドル(前年同期6.1億ドル)

C型肝炎治療薬エプクルサの売上は5.6億ドル(前年同期4.91億ドル)

所感

良い決算だったと思います。

売上・EPSともにアナリスト予想を上回りました。

 

ツルバダの売上減が気になるかもしれませんが、ビクタルビとの入り組みと考えれば良いと思います。HIV治療薬全体としてみたときに売上は10%以上成長していますし、まだまだリーディングカンパニーの座に君臨しています。

 

そもそも、ギリアドというとここ数年はC型肝炎一発屋というイメージが根強いですが、ギリアドはもともとHIV治療薬の会社です。それを象徴するかのように、決算では毎回HIV治療薬が堅調に成長しています。

今も(C型肝炎薬が下火になった今は)売上の8割近くがHIV治療薬ですので、ギリアド=C型肝炎治療薬の会社というイメージは捨てたほうが良いでしょう。

 

直近ではレムデシビルが全世界から注目の的になっていますが、先日記事にしたようにレムデシビルはすぐには決算に紐付かないと思いますので、短期的に買いに走る行為は愚かと見るべきです。

 

 

godolphin.hatenablog.com

 

godolphin.hatenablog.com

 

 

その他(レムデシビル関連)

ついにレムデシビルがFDAの使用許可を取得しました。

investors.gilead.com

 

 

要旨

・あくまで今回の使用許可は”緊急使用”許可(正式な承認ではない)

・ECMOを含む人工呼吸器を必要とする患者には 10 日間投与を許可

・人工呼吸器を不要とする患者には5日間投与を許可。ただし改善が見られない場合は、Total10日になるまでさらに5日間の投与を許可

・発表していたとおり、150万回分のレムデシビルを無償提供。

・2020年12月までに、1000万回分の供給体制を確立する計画

 

ついにアメリカでレムデシビルの緊急使用許可が出ました。

重症患者を中心に、最大10日分投与が可能になります。

 

なお、ギリアドは自社の臨床試験で5日間投与であっても、重症例に対しては10日間投与と同等に近い効果があることが確認されているため、より多くの人に使ってほしいと公表しています。

 

これが全世界への希望の光になることを祈るばかりです。

株式投資をする際に肝に銘じていないといけないことと思いますが、企業の第一使命は社会に貢献すること。そしてその結果として利益がついてくることを示す象徴例かと思います。

こうした企業をBuy&Holdして応援することは、長期投資家の醍醐味ですね。

 

それでは。

 

 

 

速報 レムデシビル 臨床試験で主要評価項目を満足

こんにちは、ヘンリーです。

 

速報が入ってきました。

 

レムデシビル 臨床試験で主要評価項目を満足

 

www.cnbc.com

www.businessinsider.com

 

ギリアド(GILD)のレムデシビルが臨床試験で主要評価項目を満足したというニュースです。CNBC他各メディアが速報で報じています。

 

下の一文が現在の状況を最も端的に示していると思います。

 

「Gilead Sciences Inc.’s experimental drug to treat coronavirus helped patients recover faster than standard care, the company said, offering hope for what could be the first effective treatment for the illness that has swept the world.」

 

臨床試験の結果、レムデシビルは「他の治療」(普通の治療)より有効であり、現状唯一の(第一の)効果的な治療法である、と。

 

あくまで現段階では「他の治療より」ですが、有用性が示されただけ、今はそれでも希望の光ということです。

 

ギリアドの株価はプレマーケットで9%弱上昇しました。

 

 

 

ギリアドの新型コロナ治療薬レムデシビル 特例承認へ

こんにちは、ヘンリーです。

 

保有しているギリアド(GILD)の新型コロナ治療薬候補レムデシビルが取り沙汰されているため記事にしてみます。

 

 

ギリアドの新型コロナ治療薬レムデシビル 特例承認へ

www.nikkei.com

www3.nhk.or.jp

 

上記の通り、各紙で大きく取り上げられています。

レムデシビルとは当初エボラ出血熱の治療薬として開発された治療薬ですが、いまだエボラ出血熱治療薬として承認はされていません。

 

ただし、同治療薬のウイルスの生成を阻害する働きが今回の新型コロナウイルスに応用できるのではないかと見られており、期待が高まっています。
本当にギリアドは抗ウイルス薬の開発において世界のTOPです。
(承認間もない薬を持っているベンチャーを買収しているだけという批判もありますが…)

 

今回政府は、海外での承認を条件に、日本国内での審査を大幅に簡略化できる「特例承認」と呼ばれる制度の適用を決めたとされています。

 

承認されれば、原則として保険適用での治療が可能になります。
(ただし今回は、「保険適用」はあまり意味をなさないかもしれません。詳しくは後述)

 

別れている評価

 

このように有望視されているレムデシビルですが、未だ明確に効果ありという意見の一致は見ていません。

 

www.nikkei.com

 

www.bbc.com

 

上記の通り、一時は極めて有望と思われていましたが、直近では治験失敗の報道もありました。この報道はWHOが誤って掲載されたとも言われていますが、実際の真相はわかりません。

少なくともギリアド社によると、治験者の数が十分でなかったため、治験を早期に終了しただけだとしています。

状況証拠的には、ギリアドの主張が正しいと思います。

 

いずれにせよ、ギリアドは間もなく世界最大規模の試験結果を公表する見通しであり、それによって大きく舵が切られるでしょう。
(なお、先立ってUBSはギリアドを「Buy」から「Neutral」に引き下げています。ただし目標株価は引き上げており、よくわかりません。笑)

 

www.bloomberg.co.jp


世紀の大盤振る舞い?

www.thepharmaletter.com

 

そして一番驚いたのはギリアドのスタンスです。

ギリアドといえばかつてC型肺炎治療薬のハーボニーとソバルディの薬価を高額にし、世間からバッシングの嵐を受けた悪名高い?企業です。
(ただし保有しているので弁護しておくと、Totalの治療費は同薬を使用した場合が最も安価になりました。そして薬が完全に病気を治したため、ビジネスという観点からは一発屋(=糖尿病のように継続使用がない)となってしまいました。)

 

そのギリアドが、今回はレムデシビルを無償提供すると言っています。

 

ギリアドはなぜこの世紀の大盤振る舞いとも言える行為を決定したのでしょうか。

今回もまた薬価を釣り上げたとしても、確かに医師/世間の心象は悪くなるものの、
レムデシビルが最も有効であれば医師や患者の家族はレムデシビルを使用しようと思うはずです。

 

ギリアドは今までの態度を改めたのか、はたまた何か別の意味があるのか、今後の動きに注目です。まずは全世界に行き渡らせることを最優先にしてほしいと思います。
これが冒頭で「日本で保険適用の意味は薄い」と延べた理由です。

 

株は当然、ホールドですね。

それでは。

 

 

 

ウェルズ・ファーゴ 2020 1Q決算

こんにちは、ヘンリーです。

 

こちらも同じく保有しているウェルズ・ファーゴが2020年第一四半期の決算を発表しました。

昨今の金融業界を象徴するような厳しい内容だったので紹介するとともに、今後の注目ポイントを探りたいと思います。 

ウェルズ・ファーゴ 2020 1Q決算を発表

(元ソース)

https://www.wellsfargo.com/about/investor-relations/quarterly-earnings/

 

<売上>

・合計:177.2億ドル(前年比18.1%減)

金利収入は113億ドル+金利収入は64億ドル)

 

<EPS>

・0.01ドル、引当金/有価証券評価損費用除く0.74ドル(アナリスト予想は0.62ドル)

 

<その他>

・貸倒引当金として31億ドルを計上(EPS▲0.56セント)

・有価証券評価損9.5億ドルを計上(EPS▲0.17セント)

・1Q末の融資残高は1兆ドル(前4Q末より476億ドル増)

 

所感

厳しい決算になりました。

貸倒引当金及び有価証券評価損は未だ実害は発生していないにせよ、今後実害が目に見える形で出てくると思います。

売上は純金利収入が今期こそ上昇したものの、FRBの金融政策転換により2Q以降の決算はむしろ前年比減少が見込まれます。

特にウェルズ・ファーゴは純金利収入に依存する部分が多い銀行ですので、この影響はクリティカルに聞いてくるでしょう。

また、期末融資残高が伸びているのも想定通りと言えます。

結局今の状況は、「個人や(特に外食産業を中心とした)苦しい企業・小規模ビジネスへの融資を行うが、返済されるかは未知数かつ金利収入も満足に得られない」ということに集約されると思います。

 

<今後の展望>

当面、新型コロナウイルスの影響が収束するのを待つことになるでしょう。

まず第一の山場は「いつ外出規制が撤廃されるか」だと思います。

外出規制が撤廃されれば曲がりなりにもレストランに行く人が増え、消費が始まります。経済の歯車が回りだせば個人消費も拡大し、長期的にはFRBゼロ金利政策をやめ、金利収入が見込める状態に戻るからです。

 

投資家としては、踏ん張りどころと思います。

バフェットのように10年以上Holdできる長期投資家であれば、今は買い増し時かもしれません。

 

それでは。

 

プライバシーポリシー お問い合わせ