IBM 2020 1Q決算
こんにちは、ヘンリーです。
保有しているIBMが2020年第一四半期の決算を発表しました。
新CEOのクリシュナ氏が登壇し、興味深い発言もあったので記事にしてみます。
IBM 2020 1Q決算を発表
(元ソース)
<売上>
合計:176億ドル(前年比3.4%減)
※ただし事業売却と為替変動の影響を調整した場合は0.1%増
・クラウド&コグニティブ事業は5%増
(為替変動の影響を調整した場合は7%増)
・システム事業は3%増
(為替変動の影響を調整した場合は4%増)
・グローバル・ビジネス・サービス事業は前年同期比±0%
(為替変動の影響を調整した場合は1%増)
・クラウド事業の売上は19%増、54億ドル
(事業売却と為替変動の影響を調整した場合は23%増)
・Red Hatの売上は18%増
(為替変動の影響を調整した場合は20%増)
<EPS>
<その他>
- 過去12カ月間の事業活動による純現金収入は145億ドル、FCFは116億ドル
所感
継続事業及び為替を前年比較可能な形にすると売上がプラスになったのは良いことだと思います。
また継続してクラウド事業の売上が伸びており(アマゾンやマイクロソフトに比べると地味ですが)、粗利率の向上につながっている点もプラスです。
コロナの影響はよくわかりませんが、パブリックセクターはまだしもヘルスケアやIT業界が比較的影響少ということはイメージできます。
新CEOクリシュナ氏がカンファレンスコールに登壇
また、ロメッティ前CEOに代わって新CEOに就任したクリシュナ氏がカンファレンスコールに登場しました。
発言が注目に値すべきものだったのでポイント紹介しておきます。
ポイント
・EPSだけでなく、GrowthやLiquidityも重要である。(過去はEPSを重視しすぎていた、と解釈)
・特にLiquidityは重要であり、これなくして成功はありえない。
・Growthのため、これからも買収を続けていく(短期的なEPS向上よりも長期のGrowthを模索する、と解釈)
解説
このクリシュナ氏の発言は旧ロメッティ体制のからの刷新を意図したものではないかと思います。
ロメッティ氏の在任時は自社株買いによるEPS成長に限界が見え、とにかく何かの切り口を模索した時期でした。しかし結局自社株買いをやめられず、自社株買いも中途半端に継続しそこそこの企業を買収する、という右往左往の采配から逃れられませんでした。
それとは対象的に、クリシュナ氏は初めてのカンファレンスコールで、重視するものとして明確に「Growth」「Liquidity」を打ち出しています。
これを見て私は、「しばらくEPSは上昇しないかもしれない」と感じました。ただしそれは彼の言う健全な「Growth」と「Liquidity」のためであり、長期的にはIBMにプラスになると信じています。
(ただし配当は継続すると述べています)
私はずっとHoldしながら、この企業の行末を見守ろうと思っています。
それでは。